弁護士 秋山亘のコラム

2018.07.17更新

老朽化した建物の建て替えを理由とした明け渡し請求

-その1 賃貸人の修繕義務との関係

 

<質問>

 建物の老朽が進み、建物の安全性が懸念される為、建て替えの必要性が大きいことを借地借家法28条の正当事由として、賃借人に建物の明け渡しを求めました。

 しかし、賃借人は、建物の貸主には民法606条により修繕義務があるのだから、建物の修繕が可能である以上建物に修繕を施すべきであり、建物の老朽化を理由とした正当事由は認められないと言って、明け渡しに応じてもらえません。

 賃貸人に修繕義務がある以上、修繕が物理的に不能なほど老朽化しないと明け渡しを求めることは出来ないのでしょうか。

 

<回答>

1 民法606条は、賃貸人の修繕義務を規定しておりますので、基本的には、建物が老朽化しても修繕を施すことで建物の使用を継続することが可能な限り、賃貸人としては修繕義務を尽くすべきでありますので、そのような事由のみをもって正当事由があると認めるのは困難です。

 もっとも、老朽化の程度と大修繕に要する費用如何によっては、修繕による建物としての効用期間の延長とその間の賃料収入による投下資本の回収可能性の見地からして、採算に見合わない場合にまで賃貸人に修繕義務を認め、建物への大修繕を実施させることは、賃貸人に酷であり、社会経済的な観点における建物の有効利用の見地からも妥当ではありません。

 そこで、修繕による建物の効用期間の延長という修繕効果に照らし、修繕に過大な費用を要する場合には、経済的には修繕不能な状態にあるとして、賃貸人が修繕義務を果たさない場合においても、建て替えを理由とする明け渡しに正当事由を認めることも可能と考えられます。

 もっとも、このような場合においても、立ち退きという重大な不利益を被る賃借人においては、相当の補償がなされるべきですので、賃借人の被る不利益を考慮した相当額の立退料の提供が必要になります。

2 この点、①東京高判平3・7・16(判タ779・272)は、明治37、38年ごろに建築された建物で老朽化が著しく、修繕をするには新築以上の費用を要することを理由に家主側の正当事由として認め、電器店を経営し、かつ、居住する賃借人に対し、賃借人の4年間分の営業所得に相当する1500万円(現行家賃の34.9年分)の立退料を支払うことによって正当事由が具備すると判示しております。

また、②大阪地判昭59・7・20(判タ537・169)は、4戸建ての長屋のうち中央の2戸はすでに空き家となっており、建物全体としては相当老朽化が進んでいる事案において、修理には多額の費用を要するうえ、修理後の耐用年数も7、8年程度であるので、本件長屋を取り壊して建て替える方が経済的であるとして、立退料150万円(現行家賃の約24.0年分)を提供することにより正当事由が具備すると判示しております。

前記の2つの事案では、立ち退料の金額に大きな違いが見られますが、その理由としては、①の事案と②の事案の基本賃料や土地価格の相違のほか、①の事案は、賃借人が電気店を営んでいたことからその営業補償を考慮しなければならないのに対し、②の事案は、単に個人としての住居であるため、移転費用(引越費用、新規借入費用と一定期間の差額家賃)を賄えれば十分と判断された為と考えられます。

 以上の裁判例では、立退料の提供を条件として正当事由を具備するとされております。しかし、中には、立退料の提供なくして正当事由を具備するとされた裁判例もあります。そこで、次回では立退料の提供なく正当事由を具備するとされた裁判例を紹介したいと思います。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.07.09更新

建物賃貸借と敷地利用権の範囲

 

<質問>

1 私は一軒家を自宅として借りて住んでおります。家の前には、車2台分のスペースの空き地があったため、その空き地を庭にして小さな家庭菜園に利用しておりました。

そうしたところ、貸主から、敷地は契約書上賃貸借の目的物にはなっていから、今後は駐車場にして第三者に貸したいので、庭部分の敷地を返して欲しいと言ってきました。

貸主の主張は正しいものなのでしょうか。

2 私は、ある貸ビルの1室を飲食店利用の目的で借り、レストランを開いております。営業時間中は店の前のビル敷地部分に可動式の看板を置きたいと思いますが、貸主は認めてくれません。どうしても看板を出したいならば看板料を支払うよう言われております。

 なお、賃貸借契約書では、店の前に看板を出すことは禁止されておらず、また、看板もよくある飲食店用の小さな立て看板で特に通行の障害になるようなものでもありません。

 貸主の言うとおり看板を出すことはできないのでしょうか。

<回答>

1 質問1について

借家人は、敷地を利用せずに建物に居住することは不可能ですので、一般には、「住宅に使用するための家屋の賃貸借において、その家屋に居住し、これを利用するため必要な限度で、その敷地の通常の方法による使用が随伴することは当然である」(東京高判昭三四・四・二三下民一〇・四・八〇四)と考えられています。

したがって、建物の賃貸借契約書に賃借物の範囲が明記されていなくても、「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」は、建物の賃借権に含まれていると解されます。

もっとも、どの程度の敷地利用が「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」といえるかは、いちがいには言えません。契約の目的、趣旨、賃料の決め方、貸した当時の建物や敷地の形状、賃貸人が黙認していた賃借人の利用方法などの事情を総合考慮して決められることになると思われます。

質問1のように、住宅用の一軒家の賃貸においては、駐車場2台分程度のスペースを、庭として或いは駐車場として、借家人が使用することは、当然、「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」といえます。

したがって、前記の敷地部分も建物の賃借権の範囲に含まれていると解せますので、貸主の主張は誤っていると言えます。

 これに対し、仮に、建物の前の空き地スペースが建物と同じくらいの広さで、駐車場10台分もある場合には、当該部分の敷地面積を考慮して建物賃料を決めたなどの特段の事情がない限り、その全部が「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」とは言えないと思われます。「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」と言えるのは、庭としてのスペース部分(駐車場1台分程度)及び家庭用自動車の駐車場1、2台部分に限られるでしょう。

2 質問2について

質問2の問題についても、「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の通常の方法による使用」と言えるかがポイントになります。

基本的には、飲食店を開いて営業している以上、客を呼び寄せるために店の前の入口に看板を出すことは必要不可欠のこととも考えられます。

したがって、営業時間内に可動式の看板を出すことは「建物の通常の利用に必要な範囲内での敷地の利用」にあたり、看板を出すことは建物の賃借権の範囲内と言える可能性が高いでしょう。まずはこの点を貸主に十分説明して話し合うことが肝心です。

 但し、賃貸借契約書で看板を出すことを明確に禁止している場合、看板を置く場所が避難通路に指定されているなどして消防法上看板を置くことが違法になる場合には、看板を出すことは出来ませんので、注意が必要です。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.07.02更新

消費者契約法と宅地建物取引

 

1 はじめに 

 平成13年4月1日から消費者契約法が施行されました。これまで、事業者と消費者の間には交渉力と情報に大きな格差があるため、消費者が不当な契約を強いられるといった批判がありました。

消費者契約法は、この格差を是正し、消費者を不当な契約から守る目的で定められた法律です。消費者契約法は、適用範囲が広い上、民法の特則として消費者保護にとって強力な保護規定を設けております。

そこで、今回は宅地建物の取引においても注意して頂きたい消費者契約法についてご説明します。

2 消費者契約法の適用範囲 

 消費者契約法は、「事業者」と「消費者」との間の契約に広く適用されますので、宅建業者が「消費者」と契約する場合や「事業者」に該当する貸主と「消費者」に該当する借主間の契約を仲介をする場合等は、この消費者契約法が適用されるということを念頭に入れて契約を締結しなければなりません。

 「事業者」とは、何度も繰り返し同じ内容の業務をやっている者のことです。会社でなく個人でも、また営利団体でなく学校・宗教法人などの非営利団体でも適用があります。

 「消費者」とは、「事業者」以外の者で、原則として個人の非事業者に限られ、団体は含まれません。但し、実質は個人と同視できる個人企業の場合には、通常の業務と全く関連しない分野での契約でしたら、「消費者」とみなされる場合もあります。

 なお、消費者契約法は、平成13年4月1日以降に契約締結されたもののみが適用される為、これ以前に締結された契約には適用はありません。

3 消費者契約法の内容

(1)重要な情報の虚偽告知・不提供による契約の取消し

 事業者が品物・権利・サービスの質や価格等について、真実と異なることを告げたり、又は、ことさらに消費者にとって不利益な事実を告げなかった場合で、そのため、消費者が嘘の事実が存在すると信じたり、不利益な事実は存在しないものと信じてしまった場合に、消費者は当該契約を取消すことができます。建物売買においては、重要な事項については、メリットだけでなく、デメリットも告げないと取り消される可能性があるのです。

(2)困惑行為による契約取消し

 消費者が退去すべき旨を事業者に表明したのに、事業者が消費者の住所や勤務先に居座ったため、消費者が困惑し、契約締結してしまった契約も、消費者は取消可能になりました。

(3)事業者の損害賠償責任を免除する条項の無効

・瑕疵担保責任の免責条項は原則無効になります。

 従いまして、例えば、建物の賃貸・売買における建物の欠陥、宅地の賃貸・売買における土地利用権の制限(地役権の設定、建築基準法の制限規定)等において瑕疵担保責任の免責条項を入れても無効になります。

・「事業者側による債務不履行によって生じた損害はこれを全額免除する」との条項も無効になります。また、事業者の故意・重過失によって生じた損害については一部免除の条項も無効になります。

(4)消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項の無効

・契約書において、消費者の債務不履行があった場合の損害額を「損害賠償の予定」「違約金」「迷惑料」等の名目で、予め通常生ずる損害より高額に定めている場合があります。しかし、このような取り決めた金額が、「同種の取引において生ずる平均的な損害額」より高額な金額である場合は、その超過分の損害額の定めについては無効になります。

 例えば、解除に伴う建物明渡し履行期日以降に借家人が居座った場合、通常賃料相当損害分の他に執行費用、事務手数料、迷惑料といった損害も通常生ずるでしょうから、賃料相当額よりも若干高めに設定することは、「平均的損害」を上回るとはいえないでしょう。しかし、通常賃料の3倍、4倍とする旨の約定の場合は、平均的損害を上回ることになるでしょう。どこまでが賃貸借契約という取引類型の解除の際生ずる「平均的な損害」であるかは、今後の裁判例の集積を待つしかないでしょうが、高くとも賃料の2倍までが限界ではないでしょうか。

・また、金銭支払義務の遅延損害金は、年率14.6パーセントに限定されます。それ以上の取決めをしても14.6パーセントまで減額されます。

(5)その他消費者の利益を一方的に害する条項

 上記の他にも消費者にとって一方的に不利な不当条項は無効になる可能性があります。

 例えば、事業者のみが契約内容を一方的に変更・決定できる条項、賃借人に畳み張り替え、クロス張替え、ハウスクリーニング等通常使用による損耗の回復義務も課した条項ですが、消費者契約法によってより一層認め難くなりました)。

 この他にもいろいろな例が考えられますが、要は、契約書を結んだからといって、必ずしもこれに拘束力を持たせることはできなくなったということです。逆にいえば、今後は何でも事業者に有利な契約書を結べばそれでよいというのではなく、各条項が消費者にとってあまりに一方的で不当・不公平な条項にならないよう契約内容の妥当性も考慮して契約条項を定めないとないと、結局は裁判で無効にされる場合もあるということに留意すべきでしょう。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.06.27更新

借地権の譲渡に対する地主の対抗手段

 

(質問)

 この度、借地人Xから借地権を譲渡したいので承諾して欲しいとの申し入れを受けました。借地権の譲受人は、現在、借地上の建物をXから借りて住んでいるYです。

 しかし、借地人Xは、かねてから地代の滞納を繰り返していた人物なので信用できません。Yも近所の評判も芳しくなく、いわゆるフリーターで定職に就いていないと言う話ですので、地代をきちんと支払ってもらえるか心配です。

 そこで、私は、借地権の譲渡には承諾できないとXの申し入れをお断りしたのですが、Xは「裁判所に申し出れば、少々の承諾料を支払えば、借地権譲渡は許可される」と言って強気です。

 私としては、この借地権譲渡にはどうしても反対で、できることならば、この際、借地権をXから買い取り、現在の借地を私の完全な所有(更地)にした上で、売却したいと考えております。

 このような場合、地主側としては、どのような対抗手段があるのでしょうか。

(回答)

第1 借地権譲渡許可の申立

1 借地権は地主の承諾がないと譲渡できないのが原則です(民612条1項)。借地人による借地権の無断譲渡は、契約の解除事由になります。

 しかし、地主が承諾しない場合でも、借地権者が借地権の目的である土地の上の建物及びその土地の借地権を第三者に譲渡しようとする場合、その第三者が借地権を取得しても地主に不利となるおそれがない場合には、借地権者は裁判所に対し、地主の承諾に代わる許可の申立てをすることができます(借地借家法19条1項)。

2 「第三者が借地権を取得しても地主に不利となるおそれがない場合」とは、どのような場合かと言いますと、例えば、借地権の譲受人が暴力団員である場合、譲受人が産業廃棄物を扱う業者で借地上に産業廃棄物を搬入し埋め立ててしまうことが予想される場合など土地の使用状態が変更することにより地主に不利となる場合、地代の支払に不安が認められるような客観的な事由がある場合、などが挙げられます。

しかし、このような事情の立証は実際上は地主側が行わなければならず、その立証はかなり大変です。また、本件のように単にフリーターであると言うだけでは、地代の支払に不安が認められる「客観的な事由」があるとは必ずしも認められないでしょう。

3 第三者が借地権を取得しても地主に不利となるおそれがない場合には、譲渡承諾料の支払いと引き換えに、譲渡が認められてしまうことになります。

 この場合の譲渡承諾料は、借地権付建物の価格の10%程度です。建物が老朽化している場合には建物価格は0円に等しいと考えられますので、借地権価格(場所により異なるが更地価格の6割~7割)の10%程度と考えてよいでしょう。

第2 地主の介入権

 しかし、このように借地人から地主の承諾に代わる裁判所の許可の申立てがなされた場合は、地主は、建物及び借地権を優先的に自分が譲り受ける旨を裁判所に申し立てることができます(借地借家法19条3項)。これを介入権の行使と言います。

 この地主による介入権が行使されると、地主の譲受権が優先し、裁判所は、相当の対価を定めて地主に対する譲渡を命ずることになっています。

 そして、この相当の対価は、裁判所の選任した鑑定人で構成する鑑定委員会の意見に基づいて定められております。

 なお、介入権行使の対価は、借地権価格からその10%を差し引いた金額をもとに決められます。これは、借地権譲渡の承諾料は、前述のように借地権価格の約10%であり、第三者が借地権付建物を取得した場合、当然その承諾料は地主が取得できたはずであることから、借地権価格の10%を差し引いた金額とされています。

 以上のように、借地人による地主の承諾に代わる裁判所の許可の申立てがなされた場合には、地主が介入権を行使して借地権を自分で買い取ることができますので、本件でもXが裁判所に申し立てた場合、介入権の行使を対抗手段に取ることができます。

 なお、裁判所を介せず地主と借地人との交渉で、地主が借地人から建物を買い取る場合も、通常の借地権価格から借地権価格の10%を差し引いた金額を目安に買取金額を決めることになるでしょう。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.06.18更新

裁判員制度とは?

-その2(裁判員の負担と有給休暇制度)

 

<質問>

1 裁判員になるとどのような負担が生じるのですか。また、日当や旅費は支払われるのですか。

2  就業規則において、裁判員用の特別の有給休暇制度の規定を設けました。その中で、(1)裁判員として受領した日当は全額使用者に納付する、(2)日当を受領した時はその金額について給与から減額するなどと定めることは問題ないでしょうか。

 

<回答>

1 裁判員としての負担

 裁判員事件の審理時間は、事件にもよりますが、約7割の事件が3日以内、2割の事件が5日以内、1割の事件が5日超と言われております。また、一日あたりの審理時間は、通常一日5時間程度ですが、中には丸一日かかる事件もあります。

 もっとも、裁判員になった者や裁判員候補者として裁判所に呼び出された者には、日当や旅費が支給されます。

 日当の具体的な額は、選任手続や審理・評議などの時間に応じて、呼び出された裁判員候補者については1日当たり8000円以内、裁判員・補充裁判員については1日当たり1万円以内で、決められます(裁判員の参加する刑事裁判に関する規則7条)。

 裁判員候補者については、選任手続が午前中だけで終わり、裁判員に選任されなかった場合は、そのまま帰宅することになりますので、最高額の半額程度(4000円程度)が支払われるものと思われます。 なお、日当は裁判員の職務に対する報酬ではありませんので、裁判員が有給休暇を取って裁判に参加した場合でも、就業規則に特別の規定がある場合を除き、給与と日当の両方を受領することは問題はありません。

 また、旅費としては、鉄道(JR、私鉄、地下鉄、モノレール、路面電車、新交通システム等)運賃、船舶運賃、航空運賃の実費が支払われます。もっとも、旅費の額は、原則として、最も経済的な(安価な)経路・交通手段で計算されますので、実際にかかった交通費と一致しないこともあります。

 また、鉄道・船・飛行機以外(例えば、バス、自家用車、徒歩等)の区間は、距離に応じて1km当たり37円で計算した金額が支払われます(裁判員の参加する刑事裁判に関する規則6条)。

 次に、裁判員の仕事に必要な休暇をとることは法律で認められており(労働基準法7条)、裁判員の仕事のために休んだ労働者を解雇することやその他の不利益な取り扱いをすることは、裁判員法第100条で禁止されております。

 しかし、裁判員の仕事に従事するための「特別の有給休暇制度」を設けることは義務付けられておりませんので、各企業の判断に委ねられることになります。

 現在、裁判員としての休暇を取った場合でも有給休暇として扱われるよう、裁判所から各企業や団体に理解と協力を求めているところですが、今後は法改正も含めた検討が必要と思われます。

2 裁判員の日当と有給休暇制度

 就業規則で裁判員用の特別の有給休暇制度を設けた場合に、例えば、「裁判員用の特別の有給休暇を取得した場合には、1日分に相当する給与額(例えば1万5000円)と日当相当額(例えば1万円)との差額(例えば5000円)を支給する。」というように、給与額と日当相当額との差額を支給するような特別の有給休暇制度にすることは何も問題はありません。

 しかし、質問の(1)のように、裁判員として受領した日当を全額使用者に納付するという規定を置いた場合、その規定により実質的に労働者が不利益を被るような場合は、裁判員法100条が禁止している「不利益取扱い」に該当する可能性があります。例えば、受領した日当が1万円であり、特別の有給休暇に支払われる給与額が6000円である場合には、日当を納付することで4000円の不利益を被ることになるからです(最高裁判所HP)

 また、質問の(2)のように、特別の有給休暇としているにもかかわらず、給与額から裁判員の日当を差し引くことは一般的に認められません。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.06.11更新

裁判員制度とは?

-その1(裁判員の選任手続と辞退事由)

 

平成21年度4月から裁判員制度がスタートしました。裁判員制度は、衆議院選挙の有権者であれば、誰でも選ばれる可能性のある制度です。

そこで、今回と次回では、裁判員制度についてよくあるご質問の中からご回答したいと思います。

 

<質問>

1 裁判員にはどのような人が選ばれるのですか。

2 裁判員に選ばれた場合、辞退することは出来ないのですか。

 

<回答>

1 裁判員の選任手続

 裁判員は、衆議院議員選挙の有権者の中から選ばれます。裁判員裁判の対象となる事件は、一定の重大な犯罪で、例えば、殺人罪、強盗致死傷罪、現住建造物等放火罪、身代金目的誘拐罪、危険運転致死罪などの事件ですが、このような重大事件の裁判に備えて、あらかじめ向こう1年間の裁判員候補者を無作為に選び、「裁判員候補者名簿」を作成することになっております。そして、事件の審理が始まる前に、その名簿の中から、さらに無作為抽出により、その事件の裁判員候補者が選ばれます。

 裁判員候補者は、裁判所から呼出状を受け取り、指定された日時に裁判所に出頭します。呼出状には、質問票が同封されています。裁判員候補者は、質問票に回答を記入し、事前に返送します。

 選任手続においては、質問票への回答や、裁判所での質問への回答をもとに、裁判員になることのできない一定の事由(欠格事由・就職禁止事由・不適格事由)がないか、裁判官が判断します。裁判員の欠格事由とは、国家公務員になる資格のない人、義務教育を終了していない人、禁錮以上の刑に処せられた人、心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障のある人などです。就職禁止事由とは、国会議員、国務大臣、国の行政機関の幹部職員、司法関係者(裁判官、検察官、弁護士)、大学の法律学の教授、准教授、自衛官などです。不適格事由とは、当該事件の被告人の親族、被害者やその親族、当該事件の証人予定者などです。

 また、後に詳しく述べますが、裁判員候補者も、一定の事由があれば裁判員の辞退を申し出ることができます。この場合には、その旨裁判官に申告し、裁判官が事情を聴いて、辞退を認めるかどうかを判断します。

 また、検察官と被告人は、一定の人数の候補者について理由を示さずに選任しないよう請求することができます。

 こうして、呼び出された裁判員候補者の中から、その事件を担当する裁判員が決定されます。裁判員に選任されると、そのまま午後から審理に立ち会うことになります。午前中に行われる裁判員選任手続で裁判員に選任されなかった裁判員候補者は、そのまま帰宅することになりますので、正午頃までには帰宅できます。

なお、裁判員候補者として、裁判所から呼び出しがあったにも関わらず、正当な理由もなく裁判所に来られない場合には、10万円以下の過料に処せられることがあります。

 また、次回に詳しく説明しますが、裁判員や呼び出しを受けた裁判員候補者には、旅費や日当が支給されます。また、裁判員の仕事をするために休暇を取得したことなどを理由に、使用者が不利益な取扱をすることは禁止されています。

2 裁判員の辞退事由

 裁判員を辞退することは原則として認められません。 しかし、裁判員法が定める事由に該当する方は、例外的に辞退を申し出ることができます。具体的には、年齢が70歳以上の方、会期中の地方公共団体議会の議員、学生、生徒などは、辞退を申し出ることができます。

 同居している親族の介護や養護を行う必要があるために、裁判員の職務を行うことが困難な場合にも、辞退の申出が可能です。

 また、仕事が忙しいというだけの理由では、辞退はできないことになっています。仕事を理由とする辞退が認められるかどうかは、具体的な事情を聞いた上で、事件を実際に担当する裁判所が判断することになりますが、次のような観点から、総合的に判断されることになっています。

(1) 裁判員として職務に従事する期間

(2) 事業所の規模

(3) 担当職務についての代替性

(4) 予定される仕事の日時を変更できる可能性

(5) 裁判員として参加することによる事業への影響

 辞退が認められるか否かは、とくに、自分以外の人ではその仕事の遂行が出来ず(つまり、代替性がないこと)、また、それによる事業への支障が重大であるかどうかが重要なポイントになるでしょう。

 なお、質問票に虚偽の記載をしたり、裁判員等選任手続における質問に対して嘘を言った場合には、30万円以下の過料(行政処分としての制裁)に処せられることがあります。また、質問票に虚偽の記載をして裁判所に提出したり、質問に対して嘘を言った場合には、50万円以下の罰金(刑事罰)に処せられることもあります。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.06.04更新

隣地の排水管の利用問題

 

<事例>

 Xの家は袋地となっているが、新たに公共下水道の処理区域内となった。

 下水を公共下水道に流入させるためには、Xの土地から隣人Yの設置した排水管に接続して排水しなければならない。

 しかし、Yは、その接続を拒否しており、同意しようとしない。

 このような場合、Xは、隣人Yの設置したY土地上の排水管にXの土地から接続して排水することができるか。

<回答>

1 下水道法の規程

(1)下水道法10条1項では、「公共下水道の供用が開始された場合においては、当該公共下水道区内の土地の所有者、使用者又は占有者は、遅滞なく、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水管その他の排水施設(以下「排水設備」という)を設置しなければならい。」と定められており、公共下水道の処理区域内となった場合には、公共下水道への排水が義務付けられております。

   また、下水道法11条1項では、「第10条・第1項の規程により排水設備を設置しなければならない者は、他人の土地又は排水施設を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難であるときは、他人の土地に排水施設を設置し、又は他人の設置した排水施設を使用することができる。この場合においては、他人の土地又は排水設備にとって最も損害の少い場所又は箇所及び方法を選ばなければならない。」と定められております。

また、民法上の相隣関係の規定では、下水に関しては、民法220条で高地の土地所有者は他人の低地を通じて下水道等に至るまで余水(雨水など)を通過させることができると規定しており(余水排池権)、民法221条では高地の土地所有者は低地の土地所有者が設置した排水管を使用し下水道等に至るまで排水することができると規定しております(流水用工作物の使用権)。

これらの民法の規定は高地と低地との間の相隣関係の規定ですが、学説・判例等は、高知・低地間の相隣関係だけでなく、袋地の相隣関係への類推適用も肯定しております。

また、上記下水道法11条の規定では、「流入させることが困難であるとき」と規定されておりますので、当該土地が袋地である場合だけではなく、隣地の排水設備を使用すれば設置費用は少額で止まるが、公共下水道までの排水管を全て自分で設置するとなると著しく過分の費用がかかる場合なども含まれます。

 この点に関連する裁判例としては、東京高判平成9・9・30(判タ981号134頁)は、「付近の土地の排水設備の設置状況および本件土地の所在する場所の環境に鑑みると、本件土地につき排水設備等を設置することは、本件土地の利用に特別の便益を与えるというものではなく、むしろ、建物の所有を目的とする本件借地契約に基づく土地の通常の利用上相当なものというべきであるから、賃貸人である控訴人らにおいて、本件土地につき排水設備等を設置することにより回復し難い著しい損害を被るなど特段の事情がないかぎり、その設置に協力すべきものであると解するのが相当である。そうであれば、控訴人らは、被控訴人が本件土地につき排水工事および水洗化設備の新設工事をするにあたり、これを承諾し、かつ、右工事の施工を妨害してはならないものといわなければならい」旨判示しています。 

 もっとも、東京地判平成9・7・10(判タ966号223頁)は、水洗式の便所へ切り替えるため、下水の排水のために隣人の設置した既存の排水管の利用の承認を求めたという事案で、既設の排水管がたまたま建物の下を通っているという特殊事情を考慮し、新たに水洗式便所汚水が合流することにより、万一、管が詰まるなどして改修工事の必要が生じた場合には、建物を一部にせよ取り壊すなどして下水工事を施工しなければならなくなるおそれがあり、迂回路になるとはいえ、前記私道に排水管を新設するという方法も十分考え得ること等を理由に、請求を棄却しました。

このように、隣地の排水設備を使用することで隣地土地所有者に特段の損害を与える恐れがあり、費用はかかっても迂回路をとること排水することが可能な場合には、隣地の排水設備の使用が認められない場合があります。

(2)隣地使用者の負担義務

  しかし、他方で、隣地の土地使用者は、排水のため他人の土地を使用することで損害を与えた場合、通常生ずべき損失を補償しなければなりません(下水道法11条4項)。

 これは、「損失を補償」と規定されているため、隣地の土地使用者の過失責任ではなく、無過失であると解されます。

 また、他人の排水設備を使用する者は、その利益を受ける場合に応じて、設置、改善、修理、維持に要する費用を負担しなければなりません(下水道法11条2項、民法第221条2項)。

 この費用負担の割合は、「その利益を受ける場合に応じて」分担すると規定されていることから、両地の排水量若しくは総床面積などを基準に算定することになると考えられます。

2 本設問の回答

 本件では、Xの土地が「公共下水道の排水区域内にある」ことから下水道法第11条が直接適用されます。

 そして、Xの土地は袋地でありますので、「他人の土地又は排水施設を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難であるとき」に該当しますので、隣人Yの設置した排水管に接続し利用することができます。

 したがって、上記のような法律の規定をYに説明し、それでもYがYの排水設備への接続を認めない場合には、Xは、Yに対し、「Yの排水設備への接続・利用の同意」を求める訴訟を提起することになるでしょう。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.05.28更新

管理監督者と残業代請求

 

 

<質問> 

当社では、2つの店舗で不動産仲介業を行っております。近時、あるファーストフードチェーン店の店長が労働基準法上の管理監督者ではないとして残業代を請求した事案で、裁判所は会社に対し残業代の支払いを命じたと聞きました。

当社の場合でも2つの店舗の各店長には残業代を支払わなければならないのでしょうか。

<回答>

1 労働基準法41条2号では、「監督若しくは管理の地位にある者」に関しては、労基法の労働時間、休憩、休日の規定が適用されず、残業代の支払義務がないとされております。

この「管理監督者」とは、「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的立場にある者」を指すものと解されており、一般の大企業で言うならば、部長、課長クラス、工場長クラスがこれに当たりますが、形式的な役職の名称に関わらず、「管理監督者」に該当するか否かは労働実態に即して具体的に判断されます。

2 そして、その具体的な判断基準は、①職務内容や職務遂行上、使用者と一体的な地位にあるといえるほどの権限を有し、これに伴う責任を負担していること、②出退勤について裁量があり、時間拘束が弱いこと(例えば、タイムカードで出退勤を管理され、遅刻や欠勤に対し賃金控除されるような労働者はこれに該当しない)、③基本給、役付手当、ボーナスの額において、一般の労働者に比べ優遇され、その責任と権限にふさわしい待遇を受けていること、という各要件を満たしているかを総合考慮して判断されます。

 そして、店長、営業所長という肩書が付いている場合であっても、上記のような各要件を満たしている者は一部の者に限られるのが一般的でしょう。

 前記のファーストフード店の店長の事案で東京地判平成20年1月28日(判時1998-149)は、「ファーストフード店の店長の職務と権限は店舗限りのもので、経営者と一体となって本法の労働時間規制の枠を超えて事業活動することが必要なものではなく、また、管理監督者としての待遇がなされていたわけでもない」として、管理監督者該当性を否定しております。上記の事案は、全国に多数の店舗を持つファーストフードチェーン店の場合には、店長と言ってもその地位や権限は、当該店舗内に限られ、本社の正社員(平社員)よりも高いとは言えないという実情に照らし、上記②の要件は満たしていても、上記①③の要件について否定的に解した為、管理監督者の該当性を否定した事案と言えます。

3 本件については、前記のようなファーストフードチェーン店とは異なり、わずか2店舗しかない店舗の店長ですので、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体となって従業員を管理する必要性は必ずしも否定されるものではありません。

したがって、前記①~③の各要件を満たせば、管理監督者として認められる可能性は十分にあるでしょう。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.05.21更新

返還されない借地には底地売買で対応するのも得策


 Aさんは土地を300坪所有してそこに住んでいました。そして、土地のうち80坪を銭湯を経営しているBさんに貸していました。AさんはBさんに土地を貸してから20年の期限が来るので、明け渡して欲しいと申し出ましたが断られました。これ以降Bさんは地代を供託するようになりました。困ったAさんは弁護士に相談に行きました。
 弁護士は、
①明け渡しが認められるためには、
「契約期間が満了したこと」「借地人が契約期間経過後も使用している場合には速やかに返還請求をすること」「返還を求める正当な事由があること」の三つの要件を全て満たす必要がある。これらの要件のうち「正当な事由がある」と裁判所に認めて貰うのは容易ではない。
②裁判所は、賃貸人が返して貰わなければならない必要性と借地人が継続して使用する必要性を比較して判断する。具体的には、「死活にかかわる場合」「切実な場合」「望ましい場合」「わがままな場合」の四段階にわけて、当事者双方がいずれの段階なのかを見極めて判断する
③AさんとBさんの「必要性」を考えると、Aさんの必要性はせいぜい「望ましい」という段階であり、Bさんの必要性は「死活にかかわる」という段階と考え得る。裁判所で、Aさんに「正当な事由」が認められる可能性は低い
と説明しました。
 しかし、それにもかかわらず弁護士は「土地明渡し」の裁判を起こすことを勧めました。Aさんは弁護士より
①裁判の真の目的は「土地明渡し」ではなく、「土地(底地)をBさんに買って貰う」ことにある
②賃貸人の底地割合(三割)、土地の価格、現在の地代、預金利息などを考慮するとAさんとしては底地を売る方が得である
と説明され、裁判を起こしました。裁判では、土地の値段で難航しましたが、最終的には相応の金額で底地を売買することで和解が成立しました。
 地主は、土地が値上がりしたとしても賃料を上げるのはなかなか難しいのが現状です。また、更新料も法律的な権利とまでは言えません。
 Aさんのように更新時に底地を売却するというのも一考に値するのではないでしょうか。

投稿者: 弁護士 秋山亘

2018.05.14更新

賃料の自動増額条項の有効性

 

(質問)

 私がバブル時代に締結した土地の賃貸借契約書には、「賃料は3年毎に改定され、改定毎に賃料は20%ずつ増額する」という条項があります。

 このような賃料の自動増額条項で賃料を改定していくと、近隣の時代相場に比べてもの凄い高額の賃料となってしまい、とても賃料を払い続けることはできません。

 私としては、現在の賃料は、このような自動増額条項によって、近隣相場と比較して高すぎると思うので、むしろ賃料の減額をお願いしたいくらいです。

何とかならないでしょうか。

(回答)

1 賃料自動改定特約

 賃貸借契約には、賃料が自動的に改定されるという趣旨の特約が定められていることがあります。    

特約のタイプとしては

①物価変動自動改定特約

②定額自動改定特約

③定率自動改定特約

④路線価変動自動改定特約

⑤固定資産税変動自動改定特約

などが挙げられます。

 この点、借地借家法第11条1項(旧借地法第12条)は、土地に対する租税その他の公課の増減、土地の価格の増減、当該地代が近隣類似の土地の地代に比較して不相当となった時など、経済事情の変動があった場合を「要件」に、当事者は将来に向かって地代等の額の増額を請求できると規定し、地代の増額請求権の要件を定めております。

ところで、一方、借地借家法第9条では、借地借家法は強行規定であり、借地権者に不利な内容の特約は無効であると規定しております。

 そこで、本件の自動増額条項のように、借地借家法第11条に定める要件を確認せずに当然に地代が増額するという内容の特約は、地代の増額請求ができる場合の要件を定めている借地借家法第11条1項に反し無効ではないかという問題が生じてきます。

 なお、上記の問題は、借家の場合にも、家賃の増額請求の要件を定めた借地借家法第32条(旧借家法7条)がありますので、同様に生じます。

2 裁判所の考え方

 賃料自動改定特約についての裁判所の考え方はどの様なものでしょうか。

 裁判所は、自動改定特約だからといって当然に無効とはせずに、当該特約を個々の事例にあてはめた結果、賃借人に著しく不利益であるという特段の事情がない限り特約は有効と考えている様です。

 この様に特約の効力は「当該賃借人に著しく不利益かどうか」という個々の事情により判断されます。

最高裁判所昭和44年9月25日は「固定資産税変動自動改定特約」について、特約条項としては有効であると認めつつ、「当事者の意思は、契約当時存在した事情と著しく異なる場合にも、その基準によるという意思ではない」として、特約の適用を制限しました。右の裁判例は、「賃料」の相当性を判断する際に、個々の事案において「具体的に考える」という裁判所の基本的姿勢を示したものと思われます。

 よって、裁判所は、バブルの時期に定めた基準を機械的に当てはめることはせず、契約で定めた基準を適用して妥当なものについて、自動改訂条項を認めているものと言えるでしょう。

したがって、賃料の自動改訂条項があっても、新賃料が著しく高額となり妥当とは思われないような場合は、貸主と交渉をしてみる必要があるでしょう。

 本件でも、バブル期に締結された賃料を更に3年ごとに20%も増額するという特約ですので、元々の賃料を特に安く定めていたというような事情がない限り、自動増額条項に従った賃料増額は認められない可能性が高いでしょう。

3 賃料減額請求の可否

では、賃料の自動増額条項がある場合には、賃借人が賃料を逆にに下げて欲しいと請求することは一切出来ないのでしょうか。

 この点も、自動増額条項が存在しても、借地借家法11条、32条による賃料減額請求権を一切排除することはできません。仮に、賃借人の借地借家法11条、32条に基づく賃料減額請求を一切認めないという条項があれば、それは無効です。

 実際の裁判例でも、賃貸人が自動増額条項に基づいて賃料増額請求をしたのに対し、賃借人が賃料減額請求の反訴をした事例で、賃借人の方の賃料減額請求が一部認容されているものがあります。

 本件でも、裁判で減額される見込みまであるかは別として、賃貸人と減額の交渉をしてみる価値は十分にあるでしょう。

投稿者: 弁護士 秋山亘

前へ 前へ
COLUMN 弁護士 秋山亘のコラム
FAQ よくある質問
REVIEWS 依頼者様の声